「値引き」に頼らず付加価値をつける|ワードプレスでECサイトの作り方 ⑥

「値引き」に頼らず付加価値をつける

本トピックは「地方の独自ネットショップが大手ECモールに負けない為に」というコンセプトで発信しています。

ですが商品価格はこれら大手モールに近づける事が出来ても、地方では送料面の勝負は難しいものです。

これを解消する為に、独自ショップは色々と施策を練る必要があります。

まず、ベイスで複数の商品が売れた時の送料を設定する際「商品一個単位で送料を戴く」「複数の注文でもまとめて一梱包分の送料を戴く」かいずれか一つしか選択できません。

例えば「商品Aと商品Bは一品ずつ送料を戴き、その他はまとめて送料を戴く」という設定は出来ず、いずれかの設定が全商品に適用されます(設定自体は後からでも変更できますが、一部の商品だけ設定を変更する事はできません)。

中でも「複数の注文でもまとめて一梱包分の送料を戴く」設定の場合、個々の商品サイズに合わせた送料を設定しておいて、送料の異なる商品を複数買われた場合は高い方の送料が自動的に適用されます。

「一注文につき一商品しか注文されない」ショップや「一度に複数の注文を戴いても梱包サイズを変えずに対応できる」もしくは「複数の注文が入ればそれだけ利益が上がるので、梱包サイズが上がっても利益が出る」商品を扱っているというショップであれば個々の商品サイズに合わせた設定でも問題ありません。

ですが、商品のサイズがまちまちで価格もサイズに比例していない、販売頻度も定まらない場合、話は別です。

個々のサイズに合わせた送料設定をしていても、数種類かつ複数の注文が入ると想定以上に梱包サイズが大きくなる割には原価率が合わず…結果的にサイズオーバーした分はショップ側が負担、実質利益はマイナス…なんてケースもあるでしょう。

こういったショップは商品価格を上げるか、個々の送料を(実際に配送業者に支払う送料より)少し高めに設定するという方法でリスクを回避する考えもあります。ですが、これにあてはまる場合そもそもネットショップを出店する事自体に向いていない業態かも知れません。

筆者が運営しているネットショップもまさにその境遇で、一時は商品の値上げも考えましたが、それでは益々サイトの運営が難しくなると考え、次の施策を行いました。

① 商品ごとのサイズに合わせた送料を止め、比較的大きい商品に合わせて一本化(例:ヤマトの80サイズ¥1,190で一本化して全国一律で設定)。配送送料設定は「複数の注文でもまとめて一梱包分の送料を戴く」に設定。

② ①で設定した送料を「全国一律・送料:1,190円」とトップページに目立つように掲示。

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 送料を一本化する理由 

 サイズごとの送料を設定せずに一本化すると、小さな梱包で済む様な商品を購入したいお客様から見れば高い印象を与える事になると思います。ですが、後述するセット商品との価格と比較させる事でセット商品の「お得感」を演出する事が出来ます。小さな梱包で済む商品を推す際は、その商品のセットを安い送料込みで作り、セット商品のバリエーションを広げていきます。前述①の「送料の一本化」は、あくまでセット商品との価格比較を行うためのものです。詳細については、以下からのトピックを参照して下さい。



③ ベイスの「送料詳細設定App」「ヤマト宅急便80サイズ:1,190円」「送料込み:0円」の2つを設定。「送料込み:0円」の詳細欄に「レターパックプラス(郵便局)で発送します」と記入する。

④ レターパックプラスに収まる比較的小さめの物でセット商品を作る。これはセットで販売してもニーズがありそうなものや「お試しパック」として、いずれはレギュラーサイズの購入に結びつくような商品構成が理想。

⑤ ④で作ったセット商品を商品代+レターパックプラス(郵便局)の価格でベイス「《送料込み》:0円」の設定を充てる。

⑥ サイトのトップページにセット商品を掲載し「通常購入価格:○○円(内 通常送料:1,190円)のところ、セット価格:○○円《送料込み》(他の商品との同梱不可)」と載せる。

※「通常購入価格」は商品価格+1,190円、「セット価格」は商品価格+レターパックプラス(520円)の価格。

これで商品価格は変わらないが送料に670円の差が出るため、このセット商品の組み合わせが気に入ったお客様はお得に購入する事が出来ます(②で予めトップの目立つ場所に全国送料:1,190円と掲示しているため、視覚的にもセット価格との比較がしやすくなる)

「これなら最初からレターパックプラスの送料設定を520円で設定し、お客様に好きなように商品を選んで貰えば良いのでは?」という考えも出来そうですが、先に解説した様にベイスの送料設定を「複数の注文でもまとめて一梱包分の送料を戴く」とした場合、自由に選んで貰うと同じ「レターパック」に設定した商品はいくつ購入してもレターパック一回分の送料にまとめられてしまうため、数量によっては梱包サイズがオーバーしてしまいます。

こちらが組んだセット商品で予め《送料込み(0円)》として商品価格にレターパック送料を盛り込み、「同梱不可」とする事で他の商品と一緒に購入されてもセット商品の送料は影響を受けず、またこういった旨をキチンと記載しておくことでお客様の理解を得る事ができます。

但しセット商品の内容は、単なる抱き合わせ商品では無くニーズのある組み合わせにしないといけません。

また、この手法でヤマトの60サイズ(940円)や宅急便コンパクト(550円)、ネコポス(290円)でのセットを作るのも面白いと思います。

通常送料(1,190円)より安い送料でニーズのあるセット商品であれば、お客様の選択肢も増え楽しいお買い物となるでしょう。

良い組み合わせでセット商品が出来たら、バリエーションを増やしてトップページに特設コーナーを作りアピールしていくのも一興です。

ちなみに、先述のセット商品の例として発送方法に「レターパックプラス(郵便局)」を指定したのは以下の理由からです。

 レターパックプラス(郵便局)について 

 レターパックプラスは、おおよそA4より若干大きいサイズ(340㎜×248㎜)の書類入れの形状でマチはありませんが、内容物の高さに制限が無く割と丈夫な素材(厚紙)なので、縦に広げれば高さのある商品でも中々の量が収まります。制限重量は4㎏で、このサイズで収まる重量としては中々の余裕があり、蓋を閉じてテープで止めた際に中身がはみ出していなければ発送してもらえます。また、通常の荷物と同様に追跡あり。配達は手渡しで先方の受け取りサインが必要なのも安心材料となります。但し保証はついていませんので、梱包には注意を払う必要があります。肝心の送料ですが、全国一律の¥520円。レターパックプラスは専用の梱包袋(赤)を郵便局かコンビニにて¥520(送料込み)で購入する事になります。



レターパックプラスは破損・紛失の補償制度こそ無いものの、対面での受け渡しというのはとても心強いです。

他にも更に安価な「レターパックライト(370円)」というものもありますが、こちらは縦×横のサイズと重量(4㎏)こそプラスと一緒ですが、厚さ3㎝まで・ポスト投函のみ(ポストに入らない場合は不在伝票を入れて持ち帰り)という制約がある為、個人的にはあまりお勧め出来ません。





独自ECショップでの「ブランディング」を考える

一般的に販売されている商品を扱うのであれば、大手ECサイトや他の独自ECサイトとの競合を意識する必要がありますが、一番ベストなのはオリジナル商品を扱う事です。

それはテレビのバラエティ番組や朝のニュース、ネットニュース等にもヒントは溢れています。

例えば「マツコの知らない世界」でマツコ・デラックスさんが絶賛した商品やTBS朝のバラエティ「ラヴィット!」で取り上げられた食品、「ぼる塾」の田辺さんが絶賛したスウィーツ等は即日完売なんて話も。

その商品をすぐに買い占めて転売…なんて安易な発想はお薦めできるものではありませんが、何かしらのヒントになる物もあるかと思います。

とにかく「世の中の動き・流行には常にアンテナを張っておきましょう!」というお話です。

先に紹介した画像やイラストを編集するアプリ(Adobe PhotoShop cc / Adobe illustrator cc (アドビのフォトショップ・イラストレーター))等を活用すれば、オリジナル商品に付加価値を付けて販路を広げる一助にもなるかと思います。

そういったオリジナル商品があれば大手ECモールに出店しても十分勝負できると思いますが、売り上げ見込みのあるオリジナル商品であれば独自サイトでも勝算はあり、大手ECモールに余計な手数料を取られない分、別の部分(例えば広告や商品開発など)に資金を回せます。

WordPressを活用すれば、大手ECモールではできない様なオリジナリティあふれるサイト構成も可能です。

次ページでは大手ECモールに出店している競合他社の現状と、独自サイトで対抗する際の施策について解説していきます。



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